NU-001:全自動元素分析装置│機種:Perkin Elmer社製 2400II CHNS/O
[概要]
有機化合物に含まれる炭素、窒素、水素等の元素の重量比を定量する装置。物質・材料系の研究には必要不可欠です。
[仕様]
測定元素 | C, H, N (CHNモード) |
測定方式 | カラム分離方式(フロンタルクロマトグラフィ)、TCD検出 |
燃焼方式 | 純酸素中の静的燃焼 |
サンプルタイプ | 固体、液体 |
サンプル量 | 0~500 mg(通常の有機物は1~3 mg) 測定元素の含有量およびマトリックスにより制限される |
キャリアーガス | ヘリウム |
ファーネス温度 | 燃焼管 100~1100℃ 還元管 100~1100℃ |
分析範囲 | C: 0.001~3.6 mg H: 0.001~1.0 mg N: 0.001~6.0 mg |
分析確度 | CHNモード≦0.3%(ヘリウムキャリア) |
分析精度 | CHNモード≦0.2%(ヘリウムキャリア) |
[解説]
元素分析とは有機化合物中の炭素、水素、窒素、の重量百分率を測定する分析です。
機器は、オートサンプラー・燃焼管部・還元管部・検出部に大きく分けられます。
サンプルは980℃に加熱された燃焼管にスズカプセルに包んで落下させ、純酸素ガス中で静的燃焼させます。スズの燃焼発熱反応は1800℃以上となり、サンプルは分解燃焼します。
生成ガスは、燃焼管部で酸化触媒により完全酸化され、CO2,H2O, NOXとなります。
同時に生じたハロゲン等の妨害元素は種々の試薬で除去され、ガスは還元管部 (640℃)へと流れてゆきます。
還元管部では、還元銅によってNOXが N2に還元され、サンプルの燃焼に用いられた酸素の過剰分が吸収されます。
燃焼ガスは混合瓶に集められて混合され、一定圧力、一定温度に正確に制御されます。そしてガスは、完全に均一化されます。
分離法はフロンタルクロマトグラフ法です。検出は、熱伝導度検出器(TCD)が用いられています。
[測定について]
- アセトアニリドを標準物質とし、1 μg当たりの検出器の出力を求めます。
- 試料の分析を行います。測定は1回に1.6 mg~1.8 mgのサンプル量を用いて行います。
例えば、合成ニコチン酸を測定した場合各元素の重量%は、
C: 58.45% (理論値 58.54%)
H: 4.01% (理論値 4.09%)
N: 11.44% (理論値 11.38%) と出力されます。 - 1回目の測定値が予想の誤差範囲内(<0.3%)の場合、測定は1回のみとします。その他の場合は2回目を行います。